2、3日で出した叩き台に、経営者が喜んだのは速さじゃなかった
2、3日で出した叩き台に、経営者が喜んだのは速さじゃなかった。
事務経験ゼロ、AIフル活用のオンライン秘書・事務代行のTaEです。今日は、AIで速くなった仕事を渡したとき、相手が本当に喜んだのは時間ではなかった、という話です。
「何ができるか分からないから、様子を見させて」から始まった
私はいま、ある会社の会長さんのオンライン秘書兼事務代行をしています。事務も秘書も、経験がない状態からの始まりでした。
きっかけは、そのグループ会社の別の方です。
1年ほど前から単発の仕事をちょこちょこいただいていて、その方が会長さんに私の話をしてくれていたようです。
「一度話したい」と言っていただき、そこからのご縁でいまの仕事になりました。
最初に言われたのは「あなたに何ができるのか分からないから、少しずつ様子を見させてほしい」でした。私も「全然大丈夫です、お願いします」と答えて、仕事が始まりました。
最初の依頼は、研修動画の叩き台
一番最初の依頼は、ChatGPTを使ったことがない人向けの研修動画でした。スライドを動画にしただけでもいいし、AIを使ってもいいし、自分で作ってもいい。そういう自由度の高い頼まれ方です。
聞くと、グループ会社の中で何人かに声をかけたけれど、みんな自分の仕事が忙しくて、なかなか出来上がらないとのことでした。
このとき私の手元には、会社の情報がほとんどありませんでした。
社内でどんな研修をしているのか、動画を見るのはどんな人なのか、一切分からない。
その状態で話を聞いて、私は2つのことを感じました。
ひとつは「すぐ使える完成品ではなく、まず叩き台が見たいんだろうな」。何人かに頼んで出てこなかった経緯があるので、期待値はそこまで高くない。
もうひとつは「ざっくり、低コストで作りたいんだろうな」。
誰がどう使うかも分からないものに、時間とお金をかけるのはもったいない。
だから私は、完成品ではなく、方向性を聞くための叩き台を先に作ることにしました。
全部手作業では無理だと思った
もうひとつ、最初に決めたことがあります。
この先も制作が続くなら、全部手作業でやるのは無理だ、ということです。
なるべく自動化して、必要なところだけ手を加える。そういう流れを先に作ってから、叩き台に取りかかりました。
叩き台に求められているのは、イラストの出来ではありません。
1本の長さ、流れ、構成。それと、私がどのくらいの速さで出せるのか。
会長さんが見たいのはそこだと思ったし、私自身も確かめたいところでした。
作り方は、動画編集ソフトを使いませんでした。
研修の流れをAIとチャットで相談しながら構成を作り、(当時)AntigravityとCodexの両方で試して、手元のパソコンで動画に組み立てました。
声はVOICEVOXです。課金はしていません。
それで、2、3日で叩き台を渡しました。
喜ばれたのは「速さ」ではなかった
会長さんは、かなり感動してくれました。
ただ、感動したのは効率ではありませんでした。
すぐに出してきたこと。そして、私が編集を一切していないのに、AIを使って数日でここまでできると知れたこと。そこに驚いてくださったんです。
その叩き台をいま実際に使っているわけではありません。
でも、出したことで会長さんの方向性が見えました。「イラストを入れてみて」「声はこの音声を使ってほしい」と、具体的な注文が返ってくるようになったからです。
2、3日で出したからこそ、相手の頭の中が見えた。
ここが大きかったです。
そこから1週間ほどで、1本5分前後の研修動画を全部で5本ぐらい作って見せました。ここでもかなり驚いてくださり、褒めていただきました。
次に来たのは、まったく別の依頼です。
マレーシアに出したばかりの飲食店で、現地スタッフに日本語の挨拶を教えたい。「いらっしゃいませ」「こんにちは」といった、日本人なら当たり前の挨拶と、それをするタイミング。その研修動画を、英語や中国語など数か国語で作ってほしいというものでした。
会社の情報がない中で、全部AIと壁打ちしながら作っていく。
そういう仕事の仕方になっています。
生成させている間に、別の仕事を進める
作り方で変わったことがもうひとつあります。
自分のパソコンでAIに生成させているので、その間に他のことができるようになりました。
AIに指示を出し、ベースになる画像はfalという画像生成のサービスに自動で作らせる。音声もパソコンの中で作らせる。
その待ち時間に、別の作業を1つ2つ同時に進められます。
最近は、1つの作業だけをやることがなくなりました。
優先順位をつけたうえで、2、3個を同時に回しています。
回している間は、思考の軸を別の作業にずらします。
最初は、これがかなりきついんですよね。
でも、それでもやり続けるとそのうち慣れてきます。
私の場合は1週間程度で脳が慣れました。
そして、慣れてくると、任せるところは任せて、出てきたものに対して時間をかける、という切り替えができるようになりました。
ちなみに、出てきたものを自分の目で見て、どこがよくてどこがダメかを判断する。
ここは任せません。
速さは入り口。その先で起きたこと
今回、速さも確かにありました。
でも会長さんが見てくださったのは、速さよりも中身でした。
そして私自身に興味を持っていただけたので、「他にもいろいろ頼みたい」となりました。
それはつまり「試したい」ということです。
「いろんなことを投げるから、無理だったら無理と言って。できないならできないでもいいから、とりあえずやってみて。」
そういう形で、挑戦させてもらう機会をいただいています。
AIで速くなるのは、入り口の部分です。
作業が速くなると、相手に確認する間隔が短くなります。
すると次の試しが早く回せる。
テストと試行を短い間隔で回せることが、AIがあって一番便利だと感じているところです。
あなたが最近AIに任せた仕事で、相手に「速い」以外の何かが伝わったことはありましたか。
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