納品したツールをクライアントの前で開いたら、この前まで動いていた画面が動かなくなっていました。
客先で「ここ動いてないぞ」
いま継続で入っているプロジェクトで、AIを組み込んだ業務ツールを作っています。裏側はスプレッドシートにデータが溜まるGASの仕組みで、見た目は社員の方が使いやすいようにウェブアプリの画面にしてあります。
やっていることは、その業種でよく使われているツールからデータを拾ってきて、自社の案件に合うか合わないかをAIに一次判定させることです。
そこで残ったものを人が見て決めます。人が判断する前のふるいを、AIに任せる流れです。
作り方はいつも同じです。まずAIとチャットで壁打ちをして、仕様書を作ります。そこからClaude Codeにテスト版を作らせます。
壁打ちの段階で中身がざっくり固まっているので、一発目からわりと使えるものが出てきます。
そのあとは私が実際に触ります。
ここが動いていない、ここにボタンがないと不便、ここは使いづらい。そう伝えて直してもらうのを繰り返します。
クライアントとの打ち合わせでご要望や判定の基準をいただいて、条件の部分を作り込んでいきます。
ある程度形になってからも、この作り込みは続きます。そして、ここからAIの勘違いが始まります。
よかれと思って、頼んでいない機能を足してくる。そしてドヤっという感じの返事を返してくる。ここまではまだいいんです。
困るのは、別の場所を直したはずなのに、前回うまくいっていた部分が壊れているときです。
納品して使い方を説明している最中に、ここ動いてないぞ、となる。この間は動いていたのに、と思いました。
そのときは、いただいたご要望を追加してから本番のリンクをお送りしますね、と言って切り抜けました。切り抜けはしましたが、ヒヤッとしました。
これはお客様がいる仕事だから怖いという話ではありません。
自分の作業を効率化するために作ったツールでも、同じことが起きます。何かの作業と何かの作業のあいだのどこかで、静かに壊れています。
壊れる原因は、だいたい2つ
壊れ方には心当たりがあります。ひとつはモデルです。
Claudeにも何種類かあって、賢いものから作業向けの軽いものまで幅があります。作業の途中でモデルを変えると、急にガタガタと崩れることがあります。
もうひとつ、新しいアップデートが入る前の3日くらい、急におバカちゃんになる時期があります(私の体感です)。言っていることが伝わらない、動きが悪い。毎日触っている人でないと気づかないと思います。
昨日できていたからOK、にしない
だから私は、昨日できていたからOK、とは考えないことにしました。
前の日にうまくいっていた部分でも、そのあと追加の作業をしているなら、前に作ったところも疑ってかかったほうがいいです。
何をしたっけ、と戻れるようにしておく。
そのために、頼み方をひとつずつにしています。機能を1個足したらチェックする。次の機能を入れたらまたチェックする。
手間ですが、崩れたときに「1個前」と言えばAIにも1個前が分かります。
複数のことを一気に頼むと、だいたい崩れます。
5個も6個も指示を出して一気に動かすと、どの工程で崩れたのかが分からなくなります。
資料請求のページくらいの小さいものでも、1個前までは大丈夫だったのにプラスアルファをお願いしたら3ページ一気に崩れた、ということがあります。
こういうことは、無料プランや一番安いプランを使っている人にわりと起きます。上のプランのモデルは精度が本当に良くなってきていて、以前のようなバグは減りました。
ただ、安いプランの人はそれを知らないので、いまだにAIはバカだ、使えない、という声を聞きます。
「AIが悪い」で終わらせない
それでも私は、うまくいかなかったときに「AIが悪い」で終わらせないようにしています。
伝え方がおかしくなかったか。頼み方が雑ではなかったか。確認の手順を飛ばさなかったか。だいたい自分の側にも直すところがあります。
新人の方に仕事を教えるときと同じです。教える人の伝え方によって、伝わったり伝わらなかったりします。理解力がある人でも、伝え方次第で勘違いして違うものを出してきます。
AIに限った話ではありません。新人さんを育てていくイメージで、普段から使ってもらえたらと思います。
間違いが出たときこそチャンス
人がやっても間違えます。違うのは、間違いを見つける手順を仕組みにできるかどうかです。
だから、間違いが出たときこそチャンスだと思っています。同じ失敗をしないための手順を、そこで一本作れます。失敗したら逆にラッキーだと思って、使い続けてください。
AIに任せるというのは、間違えないことを期待することではありません。間違いを見つける手順ごと持つことです。
あなたが今週AIに任せた仕事のうち、確かめる手順が決まっているものはいくつありますか。
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