上司に聞けない。それが私がAIを使い始めた本当の理由でした
事務経験ゼロ、AIフル活用のオンライン秘書・事務代行のTaEです。今日は、私がAIを仕事で使い始めた本当の理由の話です。かっこいい理由ではありません。上司に聞けなかったからです。
3年半前、Googleの代わりに
使い始めたのは3年半ほど前です。日本でChatGPTが使えるようになってすぐの頃から触っていました。最初はGoogle検索の代わりに調べ物をするくらいの使い方で、仕事で本格的に使い始めたのはそこから数ヶ月後、新しく勤めた会社でのことでした。
私はもともと介護や接客業をしていました。ChatGPTが出た頃、職業訓練でプログラミングの半年コースを受けていて、C言語から学んでいました。先生には最初から「半年で使えるようになる内容ではない、本当に入り口の部分だけ」と言われていました。当時、未経験からプログラミング系の求人に応募できるのは35歳までというのが割と常識で、私はちょうどそのタイミングの年齢でした。仕事はないよ、と言われていましたが、それも分かった上での挑戦でした。
DXにはほど遠い会社で
職業訓練を終えたタイミングで、地方の工場のDX推進の求人が出ていて、面接を経て採用してもらいました。その会社にはDX推進の部署も情報システムの部署もなく、紙の業務がとても多く、エクセルも部署ごとにバラバラのものを使っていました。DXにはほど遠い会社でした。唯一、私が配属された部署の上司だけが、もともと東京でシステムエンジニアをしていた人で、今でも副業で世界中のエンジニアを束ねてプロジェクトをやっている方でした。その人について学びながら、会社の中を整えていくところから始まりました。
最初の依頼は、紙で申請していた残業申請と、部署ごとにバラバラだった集計の自動化・一元管理でした。タイムカード自体はカードでタッチして記録するシステムが入っていたのですが、そこから情報を出力する形式と社内の残業計算にズレが出てしまい、結局ほぼ手作業で集計しているような状態でした。
「宇宙語」を、上司に何度も聞けない
上司と一緒に説明を聞きながら、VBAでエクセルを自動化する裏の仕組みを作ることになりました。職業訓練でプログラムは学んでいましたが、VBAは書き方がまるで違いました。上司が説明してくれる手順や組み立て方は聞けば何とか分かるのですが、時々、宇宙語みたいだと思う言葉も出てきました。
ただ、上司の本業は金型工場でCADの図面を描くことです。合間合間に教えてもらったり、一緒に作ってもらったりはできても、会社としては上司にはメインの業務に時間を使ってほしいわけで、いつまでも私の面倒を見てもらうわけにはいきません。最低限の部分は上司の手をわずらわせずに自分で進めようと思って使い始めたのが、ChatGPTでした。
VBAとChatGPTは相性がよかった
当時のChatGPTは、C言語やPythonのコードを書かせても正直あまり使い物にならないことが多かったのですが、VBAはYouTubeやブログなど、ネット上に情報が山ほどある言語でした。当時のAIは「3ヶ月以上前の情報しか集めてこられない、最新の情報には弱い」とよく言われていましたが、VBAはその何年も前からほとんど変わっていない言語だったので、むしろ相性がよかったのです。ChatGPTとVBAの動きを一緒に考え、できたものを上司に添削してもらい、アドバイスをもらう。それを繰り返しました。
そして、会社で日常的に使用しているエクセルには同時入力できないという厄介な問題もありました。会社が365のオンラインのビジネスプランを契約していれば同時作業もできるのですが、その会社は基本的に手元のパソコンでエクセルを使い、それを社内のサーバーで一元管理する形でした。誰か一人が開いていると、他の人は読み取り専用でしか見られません。それでは忙しい部長クラスの人が「なんで今使えないんだ」となって紙に逆戻りしてしまうので、誰でも見て入力できる仕組みと、データを保存する別のエクセルをデータベースとして管理する形を組みました。
「入社3ヶ月であれを完成させるとは」
私の感覚では、8割くらいは上司が作ってくれたようなものだと思っています。それでも上司は今でも会うと褒めてくれます。「入社3ヶ月であれを完成させるとは思わなかった。半年しか学んでいなくて、VBAも初めて触ったのに、全然教えてあげられなかったのにすごい」と。あの時ChatGPTに頼っていなかったら、あの仕事には半年以上かかっていたと思いますし、そうなっていたら次のステップアップにつながる仕事も回ってこなかったはずです。
当時のChatGPTは、今から見れば「使えない」と言われる部分もたくさんありました。それでも、あの頃に試行錯誤しながら、仕事の進め方や、AIにどこまで情報を渡していいか、何を渡してはいけないかという線引きを覚えていったことが、今の仕事につながっています。
教えてくれる先輩がいない人ほど、AIの恩恵は大きいと思います。ただし、返ってきたものを確かめる癖だけは、最初から自分で持っておいたほうがいいです。
上司に聞けなかったあの時、あなたなら何に頼りますか。
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