わたしがBrainrotに違和感を持った理由
前回の記事で、
ゲーム制作を経験したことで見えてきた
「夢中になる仕組み」について書きました。
ゲームも。
SNSも。
動画も。
人が夢中になる仕組みは、想像以上によく考えられています。
そして、その話を書いたあと、
どうしても書きたくなったことがあります。
それがRobloxで世界的に大流行した「Brainrot」です。
最初に見たとき、
わたしは正直、何が面白いのか分かりませんでした。
でも、違和感を覚えたのはゲームの見た目ではありません。
ゲームのルールでした。
制作経験がなかったら、気づかなかったと思う
もしわたしがフォートナイトのゲーム制作を経験していなかったら、
たぶんこう思っていたと思います。
「子どもたちに流行っているゲームなんだな」と。
でも、制作側を少し見てしまった今は、
別のことを考えてしまいます。
なぜこのルールなのか。
なぜこの仕組みなのか。
なぜこんなに夢中になるのか。
そういう視点で見てしまうのです。
わたしが気になったのは「奪う」というルール
Brainrotには、
他のプレイヤーからアイテムを奪える仕組みがあります。
しかも、ただ長くプレイした人が有利になるわけではありません。
始めたばかりのプレイヤーでも、
強いプレイヤーからレアアイテムを奪える可能性があります。
誰と組むのか。
誰を狙うのか。
どのタイミングで動くのか。
それによって一気に逆転できる。
ゲームとしてはすごく面白い設計です。
だから世界中で流行ったのでしょう。
わたしも、ゲームデザインとして見れば、
よくできていると思います。
でも同時に、少し考えてしまいました。
子どもたちは、どんなルールの世界で遊んでいるのだろう
これはBrainrotに限った話ではありません。
でも、子どもたちは毎日、
ゲームの中でたくさんの時間を過ごしています。
そしてゲームには必ずルールがあります。
協力するゲームもあります。
創造するゲームもあります。
工夫するゲームもあります。
Brainrotのように、
奪うことや駆け引きが中心になるゲームもあります。
もちろん、ゲームをやったからといって、
そのまま現実世界で同じ行動をするわけではありません。
そんな単純な話ではありません。
でも、毎日長時間触れている世界が、
子どもの考え方に全く影響しないとも思えないのです。
だからわたしは、ゲームの内容そのものより、
どんなルールで成り立っているのかが気になります。
わたしが驚いたのは、その先だった
さらに驚いたのは、
Brainrotがゲームの中だけで終わらなかったことです。
TikTok。
YouTubeショート。
SNS。
関連グッズ。
世界中で大量のコンテンツが作られました。
ゲームの人気が動画になる。
動画の人気がゲームに戻る。
また人気が広がる。
その循環が生まれていました。
そして、その熱狂は大きなビジネスになっています。
制作者も。
配信者も。
プラットフォームも。
みんなそこに集まります。
これは悪いことではありません。
でも、わたしは改めて思いました。
子どもたちが遊んでいるのは、単なるゲームではない。
そこには、
マーケティングもある。
心理設計もある。
経済もある。
そして、人を夢中にさせる仕組みがある。
わたしが怖いのは、Brainrotではない
誤解しないでほしいのですが、
わたしはBrainrotを禁止すべきだと言いたいわけではありません。
ゲームは悪だ。
ロブロックスは危険だ。
そんな話をしたいわけでもありません。
むしろ逆です。
わたしが怖いのはゲームではありません。
Brainrotでもありません。
本当に怖いのは、親であるわたしたちが、
その世界を知らないことです。
実は、わたし自身もそうでした。
ゲーム制作を経験するまでは、
ほとんど知りませんでした。
だから、「ゲームはほどほどにね」くらいしか言えませんでした。
でも今は違います。
少しだけ中を見たことで、
子どもたちが何に夢中になっているのか。
なぜ夢中になるのか。
その背景に何があるのか。
以前より考えられるようになりました。
AIの記事を書いていて気づいたこと
ここまで読んで、
「ゲームの話なのに、またAI?」と思われるかもしれません。
でも、わたしの中ではつながっています。
AIも。ゲームも。SNSも。
本質は同じです。
知らないから怖い。
分からないから遠ざける。
でも、知らないままでは判断もできません。
だからわたしは、
子どもたちがいる世界をまず知ろうと思っています。
好きになる必要はありません。
詳しくなる必要もありません。
でも、知らないまま否定するのは違う。
そう思うのです。
次回予告
ここまでゲームの話を書いてきました。
そして改めて感じるのは、
AIとゲームは驚くほど似ているということです。
便利で、
面白くて、
可能性がある。
でも、使い方次第では依存も生まれる。
次回は、「AIとゲームは、驚くほど似ている」
という話を書いてみたいと思います。